2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『天使と呼ばれた悪女』藤本ひとみ(中公文庫) 18世紀末、フランス。後にフランス革命と呼ばれる混迷の時代を生きた二人の女性の生涯をテーマに書き綴った歴史エッセイ。 一人はロベスピエール率いる革命政府による恐怖政治への幕を切ることとなった革命家…

東照宮

東照宮は、神君徳川家康公を祀った霊廟である。自分は徳川家にはなんら縁もゆかりも無いので、むしろ名工左甚五郎の遺した造作を眺めに行くようなものである。実際、当初は絢爛と輝いていたであろう彫刻の数々も風雨に洗い落とされ、埃にまみれて今や見る影…

毎年、夏期休暇を取る度に、何も考えずに数日分の着替えをナップザックに放り込んで旅に出る。 今回は何となく温泉に浸かりたいと思い、鬼怒川に行くことにした。 ついでといっては何だが、近くの日光あたりもふらふらと冷やかしに行くことにする。 日光は小…

『トーキョーN◎VA The Detonation』鈴吹太郎/F.E.A.R.(エンターブレイン) サイバーパンク系TRPGシステム。 柄佐部が最初にこのシステムに出会ったとき(今から10年近く前だが)は、いちプレイヤーであった。たった数回のセッション参加でしかなかったが…

『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』 新三部作のシメ。ちょうど今日から夏季休暇なので、いい機会と思い観に行ってきた。 旧三部作を知っているので、もう避けようの無い悲劇が待ち受けていることはすでに承知済みであり、主人公アナキン・スカイウ…

『奇怪動物百科』ジョン・アッシュトン(ハヤカワ文庫NF) 「旅人は不思議なものを見る」と、当時はそう言われていたようだ。 14〜15世紀にかけて、航海術が発達し、人間の活動範囲が急激に広がった時代。世界は未知なる怪奇に満ちていた。 無邪気なる無知は…

仕事が早く上がったので、古い友人に久々に連絡を取る。 彼も時間が取れるとのことであったので、飲みに行くこととなる。 冒頭の言葉は、イギリスの古い諺だが、正しくその通りだと思う。 友との友情というものは、互いが対等の立場でなければ成立しがたい、…

『新編百物語』志村有弘(河出文庫) 夏真っ盛り。昼も夜も、うだるような暑さである。こういう時こそ、ひとり寝物語に怪談を読むと面白い。 怪異とは、古来より不条理なもので、何の因果も無く処構わず、唐突に発現する。逆に言えば、正しく通り魔のように…