tukasabeのTRPG日記

とあるTRPG GMの日常的な記録

本日の映画

■『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』
仕事場の駅のサイネージで予告が流れており、気にはなっていた。そこで予定を遣り繰りして観てきたのだが、予想を上回る内容で驚かされた。
冒頭、主人公であるエドガン(バード)と相棒のホルガ(バーバリアン)の二人が収容されているアイスウィンドデイルの監獄の描写や恩赦審議会の席で語られる“ハーパーズ”や“レッドウィザード”の名前など、のっけから自然と『D&D』の世界観に没入させてくれる。
別居していた父と娘の和解がメインテーマなところが、アメリカ映画っぽい。
それ以外にも別れた夫に会いに行って今の妻と鉢合わせしたり、高級商店のショーウィンドウを叩き割ってディスプレイされた宝石強盗したり、盗んだ財宝を選挙資金にして大都市ネヴァーウィンターの領主に収まっていたり、街中で普通に非人間種族(ドラゴンボーンとかアーラコクラとかタバクシーとか)が生活している多様性を許容した社会など、随所にアメリカの現代社会らしさが反映されている。
エドガンが娘を取り戻すために集める仲間は(戦いに没頭して夫に逃げられた女バーバリアン、気弱なソーサラーの青年、ちょっとズレた活動家のドルイド少女)皆欠点や不運を抱えたルーザー(負け犬)ばかりである。そのダメな面子を集め、持ち前の知略をフル活用しながら作戦を立て、失敗を繰り返しながら、都度立て直しつつ目的達成に向けてリーダーシップを発揮してチームビルディングするエドガンの姿には、共感を覚えた。所々で判定に失敗しながら、方策を変えながら次の手を模索する様がかつてプレイヤーであった自分に重なる(またリアルタイムで若者たちとチームビルドしている自分とも)。
時折ギャグを交えながら、情報収集、宝探し、敵地への潜入、捕縛されてからの逆転、目的である娘との再会と和解、ラスボスとの戦闘、といった感じでテンポよく展開する話運びもストレスなく良好だった。あと、相棒のホルガと安易に恋愛関係にならない(あくまでも家族)のも良かった。
憎めない小悪党な元仲間の詐欺師フォージや実直で凄腕(ながらも空気が読めずちょっとズレている)のパラディン、ゼンクなどのNPCもしっかり存在感がある(無論、オチに使われるアーラコクラのジャーナサンも)。
腕っぷしで無双するでもなく、人智を超えた魔法を駆使するでもなく、小技と機知を凝らして何とか凌ぐ、この展開がいかにもTRPG的で実に良い。
久しぶりにTRPGがしたくなる気にさせる良作だった。