ウォーハンマーRPG 基本ルールブック』待兼音二郎訳(HOBBY JAPAN
昨年末に発売されたことは知っていたが、ちと二の足を踏んでいた。というのも、このシステムを実際に使うであろうことが、たぶん無いであろうことが予測されているからなのだが……。本日とうとう購入してしまった。
何故ならば、この野蛮で暴力に支配された戦乱の世界が、どうにも好きなのである。
国産TRPGに有りがちな近代的で洗練された清浄な世界とはかけ離れた、粗野で不潔な中世暗黒時代に似た暗い雰囲気が、とても気に入っている。
世界が危機に瀕している、という世界設定の状況は同じでも、他の国産TRPGとは切迫した危険度が違うと思えるのは、おそらくPCたちが“英雄(候補)”として設定されていないからなのだろう。
なにせ、この「ウォーハンマー」の世界、PCが選択する職業(キャリア)には、“流れ者”や“チンピラ”、果ては“墓荒らし”に“ネズミ捕り”と、明らかに“英雄”とは程遠い下層階級が用意されている(無論、それだけではなく“貴族”や“中産階級”などからも始められる)。
さらに戦闘における被害は、著しく致命的だ。平気で腕が飛んだり、頭がカチ割れるし。
そんな世界でも、喰うや喰わずの状況下から身を立てるために冒険に出る、といった風に始まる物語に強く惹かれる。しかし、強力な魔物が闊歩し、不潔さゆえに疾病が蔓延し、無知ゆえの迷信に惑わされた、野蛮で暴力的な世界は無謀な若者に優しく接することは、無い。それでも、何がしかの事跡は遺せるかもしれない。
そんなシナリオをやってみたいが、果たして他のメンバーが着いて来れるかと考えると、どうにも無理っぽい。
まあ、考えるだけに止める分には害は無いので、適当に企画案だけ組んでみることにするか。