tukasabeのTRPG日記

とあるTRPG GMの日常的な記録

『サイレンの哀歌が聞こえる』伏見健二(JICC出版)
長らく探していたのだが、遂に見つけたので中古で購入。
本作は、WIZARDRY#6 BCFのノベライズである。
BCFは旧シリーズの#1〜3及び5とは、がらりとシステムを変え、また明確なシナリオを導入したために、既存ファンをかなり離反させた作品だが、個人的には非常に気に入っていた。
初めて導入されたスキル制、パワーレベルで威力の変動する魔法などの新システムは興味深かったし、独特の雰囲気と、翳のある登場人物たちが、とても魅力的だった。ただ、難点を言うのなら、最後までファンタジー路線で締めて欲しかったということくらいだろうか。最後はSF設定に走ってしまったので、続編の#7以降はプレイしていない。
それはさて措き、本作『サイレンの哀歌』だが、なかなかの良作だった。
作者が同一なだけに、TRPG版の『アドバンストウィザードリィRPG』と背景がクロスオーヴァーしている。
欲を言えば、主人公の少年君主グレナヴァンにはもうひと化けして欲しかったが、将来への成長の兆しを見せているので、まあ良しとしよう。
後半は、ほぼ完全に錬金術師ユークリーブが主役を喰っていたが、まあ裏主人公的な役割を担っているので、仕方あるまい。自信に満ち溢れた野心家は、個人的なツボである。
久しぶりにBCFをやりたくなる。SFC版のWindows対応版とか、どこか出してくれんかな。