佐野美術館 名物刀剣―宝物の日本刀―
本展示会には二回目の来訪となる。
週末、熱海で湯治することにしたので、そのついでに足を延ばして行ってきた。
目的は、前回は期間展示の都合で置いていなかった笹丸と姫鶴一文字を拝むことである。
昼間所用があって出発が遅れたので現地に着いたのは四時過ぎ。閉館は五時なので一時間弱しかない。
が、すでに大方の展示品は観ているので流して回る。残された時間の大半は笹丸と姫鶴の鑑賞にほぼ充てた。
笹丸について、根津美術館で買った図録に収録された写真では押型と拵えしか載っていないため、下手すると中身の二つ銘則宗の展示は無いかと危惧していたが、揃って展示されていた。
さすが後鳥羽上皇御番鍛冶筆頭の作だけあり、品格ある太刀である。足利将軍家で鬼丸、大伝多とともに秘蔵されたのも肯ける。
姫鶴についても、上杉家独特の合口打刀拵えとともに展示されていた。こちらも鎬に掛かるほどの華麗な刃紋の美しい太刀で、かつて明治天皇が押し型を所望したというのも良く解る。
気づけば、閉館時間が迫り、あっという間の一時間だった。
これら一連の展示で、史上に名高い多くの名物刀剣を肉眼で見ることが出来た。非常に満足である。