『BRAKE-AGE』馬頭ちーめい・STUDIOねむ(ASCII)
仕事帰りにBOOK OFFに寄ったら、全巻置いてあって驚いた。思わず手に取り、立ち読みで一気読みした。
凄い懐かしい。奥付を見たら第一巻の発行日が94年1月。最終巻は99年4月だった。
青春時代を共有した懐かしい作品である。
発行当時の未来である2007年を舞台にした、ISDN回線網で接続された専用筐体によるネット対戦体感型アクションゲーム「デンジャープラネット」を通して、高校〜大学生(主人公は高専生)の恋愛と友情を描いた青春漫画である。
この「デンジャープラネット」はバーチャルパペットと呼ばれる人型兵器をプレイヤーが操り、他のプレイヤーと対戦するゲームなのだが、特徴としてそのバーチャルパペットのデータはMOディスクに格納され、ユーザは専用エディタによって自由にカスタマイズできることが挙げられる。
現実のゲームとしては『機動戦士ガンダム戦場の絆』がそれに近いが、そこまでの自由度は実現できていない。
ISDN回線網やMOディスクというキーワードが90年代後半らしくて懐かしい。今ではそれをはるかに上回る高速Erther回線や大容量ストレージが普及しているが、残念ながらそこまで革新的なゲームは未だ実現化していない。
主要な登場人物は天才肌の俊才ばかりで現実感は薄いが、青春漫画なので仕方がない。作中を通して描かれる放課後の部活動のような熱気感が、遠くに過ぎ去った青春の日々の郷愁となって胸に甦る。
そして、最終戦にて敗北した久我徹のセリフが、低く重く残響するのだ。