ガンダムNOVELS――閃光となった戦士たち』鷹見一幸、林譲二、庄司卓神坂一、後池田真也、岩佐まもる、宮本一毅(角川書店
ライトノベル作家たちの手によるガンダム小説の短編集。
ジャブローの大地に」のみが書き下ろしで、他の六本は「ガンダムエース」紙上に掲載されていたものの再録のようだ。
すべて一年戦争末期のエピソードを描いた作品ばかりなので、そういうテーマで構成されたものなのだろう。
ガンダム史上において、本当の「戦争」が行なわれたのは、0079年1月3日に開戦し、0080年1月1日の終戦協定締結で終わったこの一年戦争(ジオン独立戦争)ただひとつのみである(あとの戦乱は、すべて内戦、紛争に過ぎない)。
それだけに「戦争」を描くのであれば、“一年戦争”は格好の題材となる。
改めて言うまでも無く、戦争は悲惨だ。積極的に関わろうとする人は、きわめて少数派だろう。無論、自分もそうだ。
それでも戦争は、決して無くならないだろう。たぶん、科学技術が進歩して宇宙開拓が可能となった、遠い未来でも。
絶望的なまでに、人間どうしの対立は無くならない。