ブラック・ラグーン1〜6』広江礼威サンデーGXコミックス)
某重工メーカ社員の岡島緑郎は、出張先の東シナ海海上で海賊に誘拐される。海賊ことイリーガルな運び屋“ラグーン商会”は、彼の持っていたディスクが目当てだった。ディスクには、傾いた会社の命運を賭けた第三国への密輸計画の全容が記されていた。その密輸に一枚噛もうとするロシアマフィアの差し金で、ラグーン商会が駆り出されたのであった。
密輸計画の露見を恐れた会社は緑郎を見捨て、荒事専門の傭兵会社にディスク破棄を依頼する。傭兵たちはラグーン商会の船を戦闘ヘリで襲撃する。奇しくも自分をさらった海賊と一蓮托生となった緑郎は、起死回生の策を講じるが……。


全編を通じてB級アクション映画のノリで、イカレたキャラクターが銃を撃って撃ちまくるが、それ以上に背景設定として、海外の時事問題を盛り込んでいて、とても面白い。
こんなネタ話でさえ漫画の話と笑って済むだけ、日本は平和で何よりだ。
もっとも4〜5巻の日本編エピソードのように、徐々にではあるが外国系暴力組織が侵食してきているのもまた、事実ではあるのだが。
日本も今年、全人口推移が減少に転じた。そう遠くない将来、移民を受け容れざるを得ない時期が必ず来るだろう。単一民族国家であるがゆえに、護られてきた秩序が崩壊する日もまた、近いということだ。
幻想の揺り籠が壊れるまで、せめて豊かで平和な日常を味わいたいものだ。