『ヒラリーとライス アメリカを動かす女たちの素顔』岸本裕紀子(PHP新書
つい先日、アメリ中間選挙にて野党である民主党が上下院ともに過半数議席を獲得した。与党である共和党率いるブッシュ大統領の任期はあと2年残っているが、この状況ではその政権はほぼ“死に体”に等しいと評されている。
この政局において、ブッシュ政権中枢に居るライス国務長官と、上げ潮の民主党ヒラリー上院議員ふたりの女性が国内外から注目されている。いずれも2年後の大統領選に出馬し、初の女性大統領になる可能性を秘めた政治家であるからだ。
本書は、ふたりの生い立ちから積んできたキャリアの過程を辿り、それぞれの個性がいかに形成されたのかを分析している。
読んでみると、ふたりはあまりに対照的な生き方をしており、実に面白い。
感情的で人間味溢れるが敵も多く、挫折と再生を幾度も経験してきたヒラリー。冷静に最短距離でステップアップをしつつ、それぞれの地位で自分の立場を確立して力量を発揮してきたライス。
力量は十分、経験もほぼ互角の彼女たちが、今後の政局においてどのような役割を果たしてゆくのか。目が離せない。