GUNSLINGER GIRL(7)』相田裕(電撃コミックス)
だいぶ回を重ねたようで、背景設定が解き明かされつつある。
ジャン、ジョゼ兄弟の公社に入った理由が、本巻でようやく明かされる。まあ、蓋を開ければ、良くある話ではあるのだが。
ポリティカルな話は、娯楽作品に用いるのが難しい。現実からかけ離れた話だからこそ、日常のしがらみから開放され、娯楽として楽しめるからである。
日本から遠く離れ、リアルなイメージを確立しにくい架空のイタリアを舞台にしてこそ、本作品は成り立つといっていいだろう。
抜本的な解決方策の見出せない、まるで暗夜航路を行くかのエピソードが、この作品にはよく似合う。
いつだって、過去に起きた事実は消せず、それを踏まえて何らかの意義を被せ、理由をでっち上げて納得するしかないのが、人生というものだろう。そうして、義体も人間も、明日を生きていく。