ファイブスター物語XII』永野護ニュータイプ100%コミックス)
ようやく出たよ新刊。魔導大戦編の3巻目。
しかし、この主人公不在の群像劇、面白すぎる。
登場するキャラクターの誰もが主人公足りえて、かつ誰もが主人公ではない。
大義に生きる、野望に生きる、感情に生きる、理性に生きる、などなど。
絶対神がいる世界に対して、その限られた生を全うする騎士やファティマの生き様が実によく描かれている。どのキャラクターもそれぞれ魅力的で、この物語りに引き込まれて、久しい。
最初に年表という絶対的なロードマップが示され、その詳細が漫画として語られてゆく。この方式を考え付いて実行している永野護は、やはり天才だと思う。架空の世界の歴史を語るのであれば、この方式は実に最適に思える。
年代の繋がりを無視して、あまりにバラバラに語られていく各エピソード群とか、本誌連載の休載が多く、それに比例してコミックス発刊間隔が長いだとか、作者に言いたいことは山ほどあるが、ぜひ物語の最後まで語りつくしてもらいたいものである。無理だろうけど。