武装錬金(10)』和月伸宏ジャンプコミックス
とうとう完結。最近の少年漫画としては最良のシロモノだったと思っている。
何しろ主人公の少年が、ちゃんと成長している。もちろん強さが成長しているのではなく、人間としての成長が描かれている。最近は、こうした内面的な成長が描かれる作品は稀になってしまった。
最近の時風に合わず本誌連載打ち切りという末路を迎えたが、物語としては最良の結末へと昇華できた。作者、和月氏のストーリィテラーとしての腕には、敬服する。
決してぶれることなく、曲がることなく、真っ直ぐに“偽善”を貫いた主人公、武藤カズキは、やはり好ましい。