空ノ鐘の響く惑星で(6)』渡瀬草一郎電撃文庫
フェリオ王子の母国アルセイフを取り巻く諸国の情勢が、さらにきな臭くなってきた本巻。
記憶を奪われたあげく会戦の口実として陵辱された上で殺されるところだったヒロイン、ウルクは虎口を脱したご様子。うーむ、残念。いっそ、徹底してどん底に嵌って欲しかった気がするが、さすがにティーンズ向けライトノベルでそこまではしないか。
勢力図があまりにごちゃごちゃしすぎ。架空世界の戦記なのだから、もう少し情報量を少なくして単純化した方が無難だったのではないだろうか。各国の個性が、描写不足で印象に残らないので、ダイナミックな乱世の雰囲気が出ていない。
内乱時の敵将クラウスはかなりがんばっていたので、今後は敵国側に魅力あるキャラの登場することを期待したいところ。