ミナミノミナミノ秋山瑞人電撃文庫
相変わらず「ボーイ・ミーツ・ガール」のキャッチに弱いです。
買って、読んで、大後悔。……まだ、続くジャン。
個人的に、ライトノベルは一話完結が吉。概ね続き物は、読めば読むほど粗が出るものが多いからである。
本作は著者がすでにシリーズ物を幾つか刊行しているからその心配はなさげだが、それでも不安は残る。
ヘタレ主人公が、日常から離れた環境で少女に出会い、その出会いをきっかけに新たな一歩を踏み出し、自己改革を果たすというノリは好きだが、最近の流行は主人公が実は特異能力を持ていて云々といった、独自の潜在能力に依存する話が多くて気に入らないのである。
もって生まれた資質で、イケイケごうごう、というノリは個人的に嫌いなのだ。
ヘタレだろうが、無様だろうが、持てる力と知恵と感情で、困難を切り開こうとする方がよほど好感が持てる。無様でも、情けなくても良い。身の丈を余るチカラは、持つべきではないし、まして他者に振るって良いものではない。そう思うのだ。
だから俺は地道な成長を行ってゆくTRPGという娯楽が好きなのだな。改めてそう思った。