『権力とは何か』安能務(文春新書)
サブタイトルは「中国七大兵書を読む」。権力という社会秩序枠内の最強の暴力を、それが最も直接的に行使される戦場、戦争という局面から考察したのが本書である。
権力という、社会秩序を左右するパワーは、あまりにも扱いが難しい。その操作術をはじめて研究したのは、法家の創始者韓非子である。遥か古代にすでに記されたこのバイブルを、今の政治屋、官僚どもで読んでいる者は、果たしてどれだけいるのだろうか。