つい先日、約3年ぶりにGMとしてセッションを開いた。システムは自前の「GUNDAM SENTINEL RPG OE」で、1セッションで4シナリオからなるショート・キャンペーンシナリオを用意していた。(実際には時間進行に難があり、実質3シナリオに縮めた)
事前にシナリオ・レギュレーションとしてPCのレベル、装備(MS)などの条件を提示していたのだが、プレイヤーのひとりからシナリオ上で指定していた装備(搭乗するMS)ではなく、違う装備を使用したいとの要望が出た。
シナリオ指定の装備としては、設定年代とシナリオ内容を考慮して12種類の機体を用意していたのだが、そのプレイヤーの言い分としては、自分のプレイスタイルに合う装備を指定して使いたいということだった。つまり、GMのシナリオ設定を変えて欲しいという要望だ。
それ対して、GMである私は、プレイ中にPCのリソース(一般技能による交渉、功績ポイントなど)を使って交渉してくれと答えた。実は、シナリオ設定で用意した装備(MS)には、それぞれの意味(原作準拠の設定、機能性など)を持たせていたからだ。シナリオ上のギミックに係わること(弾道飛行が必要)なので、おいそれと設定を変えるわけにはいかなかった装備(MSZ-006-3およびORX-005)もあったのだ。
実際のプレイにおいて、彼はその要望を改めて申請することはなく、あらかじめシナリオで用意していた装備を使用した。


これを振り返って、思ったこと。
使用したシステムがキャラクター性(『機動戦士ガンダム』というアニメ作品)に準拠している以上、使いたい装備(MS)があるというのは理解できる。また、戦闘がシナリオの大部分を占めるために、自分のPCがより有利に戦闘に勝利できるように装備(MS)を選びたいという気持ちも分かる。
だが、GMにそれを直接要望するのは、ちとTRPGゲーマーとして直截的すぎる上に、安直な手法ではないだろうか、という残念な思いがある。
古参のTRPGゲーマーであるプレイヤーだっただけに、GMにおねだりするなら、正直もう少しトンチを利かせて欲しかった。
最近のシステムの傾向として、交渉ごと(情報収集や装備の調達など)はルールに組み込まれて、判定で処理できるものが多くなった。ゲーム性が高められ、プレイヤーのプレイスキルに依存せずにPCを平準化させるのが狙いであろうことは判る。
それらに慣れているのだろうが、欲を言えば、一般技能を使って情報収集して装備の所在でも確認して、コネを使って取り寄せるくらいのプレイを期待していた。
(例:シナリオ配備MSにMSA-0011が無いけど乗りたい。→士官食堂で眺めていた「アナハイム・ジャーナル誌」に掲載されていたラサの連邦軍司令部の写真に立哨しているMSA-0011-EXTが写っていた。→部隊の兵站部責任者に問い合わせる。→ラサの連邦軍本部守備隊に1機配備されていることを確認。→戦果を挙げた功績を背景に取り寄せを上官に具申する。とかなんとか)
システムが洗練されルールが整備されるとそれに慣れて、実際に自分の言葉を用いての“テーブルトーク”による交渉が減っていくように思えてならない。
もっとも、最近主流のプレイスタイルとしては自PCのキャラクター性を表現することが主目的化しているようなので、あまり問題とはならないのだろう。
個人的には、やや寂しく感じるが。