『武将列伝 源平篇』海音寺潮五郎(文春文庫)
年来待ちかねていた再版が、遂に出た。
海音寺潮五郎の史伝は、実に面白い。
豊富な史料の踏まえた上で、作家ならではの空想を盛り込んだ洞察力が、彼らの往時の活躍を瞼に浮かばせるほど鮮明に再現させる。
また、この源平篇の冒頭にもってきた武将が“悪源太義平”というところからして、心憎い。
続巻が実に待ち遠しい。