枕草子REMIX』酒井順子新潮文庫
中古文学の代表作のひとつ『枕草子』を、現代風にアレンジした解釈によって紹介した入門書。
本書の原典である『枕草子』は、大学時代、これをテキストに人文学のやり方の基礎(裏の取り方)を教わったこともあり、個人的にはけっこう思い入れのある作品だったりする。
清少納言は、相当に明敏な感性と冷静な観察眼、そして機知と教養を備えた人物だったのだろう。中宮定子が気に入り、当代一流の公達たちも何度となく声を掛けた、というのも良く分かる。
が、友達として付き合うのはともかくとして、恋人にはしたくないタイプではある。とにかく煩そうだし。
著者は千年前の先達、清少納言にシンパシーを感じて、本書を執筆したようだ。もっとも、女性に限らずいつの時代も、人間はさほど変わっていない。