アリアンロッドRPG菊池たけし/F.E.A.R.(富士見文庫)
今度、ウチのサークルで採用してセッションを行なうことになったので今更のように購入。
このシステム、実はトラウマがある。
今から約二年前、ウチの門戸を叩いた自称“熟練GM”が、このシステムを引っさげて来て、“一般のリプレイ並かそれ以上くらいには面白い”との触れ込みでセッションを開いたことがある。しかし、結果は散々(GMがルールを満足に掌握してない上に、用意されたシナリオはことごとく必然性を欠いており、さらにセッション進行の制御すらできていなかった)で、“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”の論理ではないが、それ以来このシステム自体を敬遠するようになっていた。
今度は、既に他システムで実績を残しているcon氏がGM担当するので問題は無かろう、という訳で購入に踏み切った。


しかし、今改めてルールを読んでみれば、出来はそんなに悪くは無いと思われる。使い勝手は、実際に遊んでみないと分からないが、ぱっと読んだ限りではルールを正しく運用すれば、バランスを大きく崩すことは無さそうである。
だが、世界観からアイテムなどの固有名詞の類は、最悪のネーミングセンスと感じた。
せっかく実在のケルト系神話から“アリアンロッド”なる名前をタイトルに持ち出しながら、無様に崩した神話設定。なんらケルト系とは関係ない地名地形設定。アイテムに関しても、そこらのコンシューマゲームのタイトルから寸借した手垢の付いたものばかり。ことごとくに独自性が無い。センスがまるで感じられない。
これなら拙いながらも全てオリジナルで勝負している『ソードワールド』の方が、遥かに勝っている。むしろ制作年代を考えるなら、比較にすらならない。
優秀なスタッフが多数居るハズの老舗メーカの作とは思えない稚拙極まりない設定には、非常にがっかりした。
なまじ、ルール部分の出来が良さそうなだけに、もったいな限りだ。