『図解「武器」の日本史』戸部民夫(ベスト新書)
日本で使用された武器、防具をほとんど網羅し、豊富な図説で解説した紹介書である。
平家物語』や『太平記』といった軍記物、『忠臣蔵』などの時代小説などに出てくる武器、防具の大半は取り上げられているので、そういった小道具に興味のある人には手軽な入門書となるだろう。
もっとも、内容については、同じ著者による『武器と防具<日本編>』(新紀元社)と、ほぼ同じであった。だが、新書サイズになっているだけに、読みやすくはなっている。
あらためて見るに、日本の武具はやはり魅力的である。
しかし、TRPGにおいて刀をはじめとした日本の武具は、和風テイストを出すための珍品やら特殊なマジックアイテム扱いされることが多い。それが残念でならない。
天羅万象』やら『比叡山炎上』やら、中世日本をモチーフにしたシステムも数点あるにはあるが、デフォルメされすぎて、あまり食指が伸びない。
『混沌の渦』とまでは言わないが、中世日本を舞台とした、もう少しリアル指向のシステムを、どこか出してくれんかなあ。まあ、需要は限りなくゼロに等しいだろうから、まず無理だろうけれど。