TRPGにおけるセッション進行の方法論は、無数に存在すると考えている。
システムは数多く存在し、GMそれぞれに表現する世界は異なり、プレイヤーの数だけPCのイメージは並立する。それら多くの要素が組み合わさって成立するセッションは、それこそ千差万別となるだろうから。
何が正しいと、いった正解探しは、たぶんナンセンスだろう。
もっとも、そのセッションの参加者の多くが面白く遊べた方法論が、限りなく正に近い解といえるかもしれない。
ただし、複数のメンバーで卓を囲む以上、全てのメンバーが100%満足できる解は、おそらく無い。誰かが(あるいは誰もが)、何がしか不満を抱え、場の雰囲気を壊すまいと口をつぐんでいる可能性は捨てきれない。
このように潜在的に隠れた不満が蓄積されると、いつかセッション中に不協和音を起こすだろう。
そうなってしまったら、手遅れになる可能性が高い。感情に起因したトラブルは、たいていの場合はかなり尾を引く。そうなる前に、何らかの手を打ったほうが良い。
TRPG以外でも交流のある友人関係であるなら、たぶん話がそこまでこじれることは少ないだろう。こじれる前にTRPG以外の機会で意見調整ができるはずだ。
しかし、TRPGのみで繋がっているTRPG仲間であるなら、基本的にセッション以外で顔を合わせる機会は少ないだろう。そういう関係は、割と危ない。
極論を言ってしまえば、人間は、自分が思っているほど相手の言うことを理解できていないことが多い。また逆に、相手も自分の言うことを期待するほど理解していない。
分かったつもり、分かってもらったつもり、といった認識のズレは非常に危険である。
おかしいな、という違和感を感じたら、例えゲームの進行を止めても確認することが時には必要かもしれない。
また、セッション中であろうが後であろうが、各メンバーが気軽に感想や意見を言える環境づくりが、セッションを主催する側の急務だろう。そして、その感想や意見が反映される柔軟さも必要だ。
言わなければ分からない、が、言えば分かる。TRPGという言葉遊びをする者の一人として、そうありたい、と思うし、そうあって欲しい、とも思う。