『アウトニア王国人類戦記録4 でたまか 群青黎明篇』鷹見一幸角川スニーカー文庫
いよいよクライマックスに向けて収束を迎えつつある中で、遂に我らが主人公マイド・ガーナッシュが人類統合軍総司令長官に就任する。
だが、本巻の主テーマはそのエピソードではなく、異類の侵攻者ザナックスに対抗すべく急造パイロットとして徴発された学徒兵たちの戦いであろう。
また、危急存亡の状況ながらセクショナリズムに汚染された帝国内部の表現にも余念が無い。
まったく人間の心の気高さと醜さという相反する要素の対比描写に掛けては、この作家はピカイチである。
人類存亡を掛けた決戦となるであろう次巻が待ち遠しい。