東京国立博物館――中宮寺 国宝菩薩半跏像
溜まりに溜まった代休が取れたので、上野の東京国立博物館に行ってくる。
時折しも中宮寺の菩薩半跏像が展示されているというので観てみる。かつて歴史の教科書では「弥勒菩薩像」として紹介されていたものだが、今では「菩薩半跏像」と呼ぶらしい。
チケットの画像でも向かって右斜めからの視点で写されているが、実際に見る際にもやはり向かって右斜めの視点から眺めるのが、ベストポジションと思う。
やや俯いた目を落とした視線。あるかなしの微笑み。「モナリザ」に通じる独特の嫣然とした雰囲気を感じてしまう。


表慶館での特別展では「踊るサテュロス」が展示されていた。
98年シチリア島沖で引き上げられたブロンズ像である。
紀元前4世紀頃に作られたものとは思えないほど躍動感に満ちた像である。青春の只中にある青年の踊り狂う様を見事に表現している。
これも「ミロのビーナス」同様に各部が欠落している故に、その欠けたバランスが想像力を刺激させる。


常設展示も一通りなめる。
主目的は本館13号室の刀剣展示。「七星剣」と「大包平」が目玉。
やはり、素晴らしい。特に古備前三平のひとり包平の代表作「大包平」は、豪壮極まるこれぞ古備前の一刀という太刀振り。
個人的には童子切安綱と対張る日本刀の最高傑作の一振りと思っている。