根津美術館 特別展 名物刀剣―宝物の日本刀―
名物刀剣50点余が一堂に会する企画展示。会期ぎりぎりに何とか都合をつけて赴いた。
意外と混んでいる。お歳を召した方々を中心に歴女っぽいのも幾人か混じっているのに加え、何を血迷ったのか若いカップルも何組か散見した。……何しに来たんだ?
「なあ、今日はどの太刀を観る?」「じゃあ、わたし貞宗が観た〜い! 刃文の乱刃が可愛いの〜」「おっ、お前も相州伝、分かってるね〜」とか会話してんのだろうか?
それはさて措き、本日の目的は主に未見の名物を眺めるためである。そのため事前に目録を確認して主要なブツを確認しておく。
上野の国博でたまに展示している獅子王三日月宗近、石田正宗あたりはひとまず措いておく。
目的のブツは、宗三左文字、鯰尾藤四郎、延文兼光(備州長船兼光)、村雲江、火車切広光である。今回は個人蔵の秘蔵品が多く展示されており、いやがうえにもテンションが上がる。
やはり、延文兼光は素晴らしい。のたれ刃文が美しい。展示品は延文兼光にしてはやや細身で寸が短めではあるが、十分に豪壮な作である。
宗三左文字と鯰尾藤四郎は焼損したのを再刃したものである。実に惜しい。再刃した刃文を眺めながら往時の姿をしばし想像する。
今回の展示品の中での個人的な当たりは、火車切広光である。上杉家蔵らしい豪壮な脇差。刃文の皆焼が華麗で素晴らしい。
会場がさらに混み始めて来たので退散したが、気づけば1時間半ほど居た。満足。
この企画展示は4つの美術館の共同開催らしい。次の巡回は富山県なので遠征は難しい。その次は三島の佐野美術館とのことなので、ちょっと足を延ばして行ってくるつもり。