レッドクリフ Part1』
三国志演義』劇中における屈指の大戦たる“赤壁の戦い”をあのジョン・ウー監督が撮った。ということで、観に行ってきた。
さすがジョン・ウー。映像美もアクションも美しい。
配役もほぼ原作『演義』を髣髴とさせるハマリ役ばかり。意外なことに、金城武諸葛亮がびっくりするほど似合っていた。
しかし、戦闘シーンが無駄に長すぎるのが難点。ひたすらに長い。


序盤、いきなり長坂坡の戦いから始まる。
かの趙雲による単騎での敵陣からの若君(阿斗)救出行は、ばっちり描かれている。一方で、橋を守る張飛の殿はあっさりオミットされている。
あれは『演義』でも屈指の名場面なんだけどなぁ。やっぱ、美形が優先されるのか?
その後のストーリーは、おおむね『演義』準拠で進む。
特に曹操の軍を起こした理由が、周瑜の美貌の妻、小喬を我がものとするため、とえらく矮小化されているのが、なんともやりきれない。
まあ、これについては『演義』においても、諸葛亮周瑜を参戦に誘導するための口実として利用しているが。
その諸葛亮は、周瑜と琴の競演を通じて意気投合して、友情を固めていたりする。
まあ、本作の主人公は周瑜諸葛亮なので、まあ良しとするか。
もっとも、呉蜀の同盟成立後の宴において、戦後の荊州の帰属を牽制しあうなど、その後の動乱の芽を伏線として描いている。
本作では、前哨戦の呉蜀同盟の勝利で幕を閉じるが、4月公開の第二部が早くも待ち遠しい。