『武士の一分』
藤沢周平の著作『隠し剣秋風抄』収録「盲目剣谺返し」を原作とした映画。遅ればせながら観てきた。
背景として描かれる、四季の移ろいが美しい。やはり邦画は、良い。
終盤、風吹き荒ぶ河原での果し合いの顛末については、映画の主題に合わせて若干の変更が加えられている。それが本作に、より深みを持たせる一助となっている。
討つに至る武士の一分。技及ばずに討たれた武士の一分。それぞれ、侍としての分を貫き通す様が、心を打つ。
原作の余韻を残す結びも良いが、本作で描かれた和解に至る結びもまた、良い。
文句なしの良作。