『日本の歴史7 鎌倉幕府石井進(中公文庫)
いよいよ中世の幕開けともいえる初の武家政権、幕府の成立である。
来年の大河ドラマの主人公でもある悲運の英雄、義経との確執から、とかく冷酷非情のひとと見られ感情的な低評価を受けることの多い源頼朝だが、その実績を見るに日本史上屈指の政治家といっても過言ではない。後継者に恵まれず源氏の正統は3代で絶えたが、その遺志を継いだ後の名執権、北条義時、時頼も、創業者たる頼朝無くては成立し得ない。
統一された武士の政権が成立しなければ、後の「アジアの嵐」たる二度の元寇を防ぐことは難しかっただろう。
歴史は、絶妙に続いていく。