電車男中野独人(新潮社)
実はこの一連の話、夏前くらい、ちょうどリアルタイムでの進行が完了するくらいには噂で知っていた。
とかく負のイメージを持たれやすい某巨大掲示板のなかでも、数少ない“良い話”ではあると思う。が、同時に怖い話でもあると思う。
結局のところ、こういう匿名性という防壁を経ないと人と相談も出来ない、本音を語り合うこともない、そういう内向的な人間の記録とも読み取れる訳で、主人公の「電車男」は最終的にそこから脱することが出来たようだが、それ以外の“祭り”の参加者たちはどうなのだろうか?
ある意味、問題提起ともいえる挿話。