2004-08-03 ■ 本日の戦利品 『小説マルコ・ポーロ 中国冒険譚』陳瞬臣(文春文庫) 東方見聞録の作者、冒険家マルコ・ポーロは実は元朝の密偵だった。そんな空想を元に書かれた小説。 虚実入り乱れた東方見聞録は一種のファンタジーだが、それをリアリズムで鎧うとこういう小説ができる、といった感じか。 南宋末元初は好きな時代なので非常に楽しめた。特に最終章の結びの一文が秀逸。「七十一歳。……皇帝も老いた。この国に長居しすぎたようだなぁ。……」